ハムスターについて
ハムスターについて
ハムスターとはキヌゲネズミ亜科のげっ歯類の総称で、ゴールデンハムスターやジャンガリアンハムスターなどで遺伝子の数も違い、かかる病気の傾向も異なります。
平均寿命は2歳前後で草食に近い雑食性です。歯のトラブルや頬袋、腫瘍など様々な病気がみられます。
不正咬合について
<症状・原因など>
ハムスターの不正咬合では切歯で問題になる場合が多く、臼歯の不正咬合は稀です。
原因としてはケージの金網などにひっかけたり、転落事故を起こしたりなどの外傷性のものがあります。また、ヒマワリの種などの種子類は高脂質・低カルシウムであるため、多給することで肥満と骨粗鬆症になりやすく、切歯不正咬合の原因になるとされています。
症状としては食欲低下や体重減少、ヨダレなどがみられますが、気づかずに放置されると延びた下顎切歯が上顎の皮膚を貫通したりする場合もあります。
<治療・予防など>
治療としては切歯の切断を行います。場合によっては終生切歯の不正咬合と付き合うことになり、定期的な切歯の切断が必要になる場合もあります。
また、伸びすぎた切歯により傷や感染が生じている場合は抗生剤や消炎鎮痛剤を併用する場合もあります。
頬袋脱について
<症状・原因など>
頬袋脱はその名の通り頬袋がなんらかの原因で口腔外へ飛び出した状態のことをいいます。
原因としては外傷や感染、稀に腫瘍により起こることもあります。
ドワーフハムスターに発生が多いとされていますが、ゴールデンハムスターでも時折みられます。
<治療・予防など>
頬袋脱が起こった直後や炎症が軽度の場合は綿棒などで押し戻して、経過観察をしたりする場合もあります。
頬袋の炎症が重度であったり、壊死が始まっていたりする場合には頬袋を外科的に切除します。切除後、数日間は炎症を抑えるお薬や抗生剤を使用して経過観察を行います。
慢性下痢について
<症状・原因など>
下痢や軟便の原因となる疾患は様々です。細菌性や食事性、寄生虫、不適切な抗生剤、全身疾患のうちの一つの症状としてなど多岐にわたります。
重度の下痢が続くことで体重減少などはもちろんですが、直腸脱といって肛門から腸が反転して出てくる場合もあります。
<治療・予防など>
食餌内容の急な変更や生野菜の多給、不衛生な飲み水や食餌によって起こる食餌性の下痢では、原因となった食餌の変更により改善することが多いです。糞便検査によって細菌の異常増殖なども疑われる場合は抗生剤や乳酸菌製剤などを使用します。
細菌性下痢でも同様に抗生剤や乳酸菌製剤を使用しますが、細菌の種類によって抗生剤の種類を変える必要もあります。