消化管うっ滞・毛球症
症状・原因など
消化管うっ滞というのは消化管のぜんどう運動(消化した食べ物を腸が伸びたり縮んだりをくり返して腸内を移動させ、体外へ排出する動き)が低下または停止した状態のことです。
原因としては不適切な食事(牧草ではなくペレットや野菜中心の食餌など)やストレス(他の病気や環境の変化など)、運動不足といったものが多いです。
換毛期などで毛繕いの際の被毛を飲み込む量が増えることで、胃の中に毛球が形成されて起こる消化管うっ滞のことをいわゆる毛球症と呼びます。
症状としては食欲不振が最初に起こることが多く、便の量が減少したり、便のサイズが小さくなったりもします。食欲不振から徐々に衰弱し、死亡する場合や消化管が閉塞し、突然死する場合もあります。
治療法・予防法など
診断としては症状や経過の問診、腹部の触診、レントゲン検査、バリウム造影検査により行います。
治療としては内科的治療から始めることがほとんどです。
脱水などの全身状態の改善のための皮下点滴や消化管運動促進剤、食欲増進剤、鎮痛剤などを使用します。完全な閉塞を起こした重症例では外科手術を行う場合もあります。
予防としては日頃から牧草などの高繊維な食餌や適度な運動、ブラッシングを行うことが重要になってきます。