ペットの病気

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避妊手術について

避妊手術をお考えの飼い主様へ

避妊手術について

ペットは大切な家族の一員。そう考える飼い主様にとって、避妊手術の肯否は避けては通れない問題といえるでしょう。現代はインターネット社会です。欲しい情報はすぐ手に入ります。様々な思いや情報に混乱されている方も多いのではないでしょうか。
カウンセリング時にいただくご質問の中で、特に多くの飼い主様から寄せられるご質問をまとめてみましたので、避妊手術についてお悩みの飼い主様は、ぜひご参考になさってください。また、それ以外にもご質問等がございましたら、ご説明させていただきますので、どうぞお気軽にご来院ください。

避妊手術についてよくあるお問い合わせ

Q:避妊手術を受けるのは何歳くらいがいいですか?
A:生後6ヶ月が目安です。
初回発情前に避妊手術を行うと、乳腺腫瘍の発症を高い確率で予防できることがわかっています。また全身麻酔を伴う手術のため、高齢になるほど、手術の負担が大きくなるのは確かです。
体重や健康状態によっては、延期または中止にさせていただく場合もありますので、一度ご来院ください。


Q:手術を受けると病気が予防できるって本当ですか?
A:女の子の場合は、子宮の病気、乳腺腫瘍の予防になります。
特に猫ちゃんの乳腺腫瘍は悪性度が高い怖い病気です。乳腺腫瘍と診断された猫ちゃんの約90%が悪性の乳癌であるといわれています。乳腺腫瘍を発症する確率は、避妊手術を行っていない場合と、早期に避妊手術を行った場合を比べると、避妊手術を行っていない猫ちゃんの方が約7倍も発症する危険があるといわれています。
また、5歳以上になるとホルモン性の高齢疾患にかかりやすくなりますが、その予防にも有効といわれています。


Q:発情していて家族が眠れません。手術はできますか?
A:一度ご相談ください。
発情期の猫ちゃんの鳴き声はとても大きく、いつもと違う独特の鳴き声になります。
また、なぜか人が寝静まった真夜中に鳴き出してしまうことが多く、中には一晩中鳴き続ける子もいます。
発情中の避妊手術は子宮組織の充血や血管が太くなっている等の理由から通常時の避妊手術より出血が多くなります。また、発情時には子宮全体が大きくなり、もろくなるため、通常時に行う避妊手術よりリスクが高くなります。お薬などで抑えて落ち着いてから避妊手術を受けていただくか、病院でお預かりをすることも可能です。
発情行動があまりにも耐えられない場合はご相談ください。


Q:手術の後、食事もできない位痛いと聞きましたが本当ですか?
A:痛み止めのお薬があります。
インターネットでもよくそのような書き込みをみかけます。実際ほんの数年前までは猫ちゃん用の痛み止めがありませんでした。
院内動物紹介でご紹介させていただいたライチの手術の時には痛み止めがなく、いつもなら大喜びのおいしいお食事にも口をつけることができない位の痛みに耐えておりました。歩くと痛い・寝返りをうつと痛い…といった感じで、見ていられない程でした。
今は猫ちゃん用の痛み止めのお薬があり、個体差はありますが、お迎えに来ていただいた飼い主様が、“もっとしょんぼりしているかと思った!”とおっしゃる程、みんな元気です。
当院では手術の前に“先制鎮痛”と呼ばれる痛み止めの注射を接種します(痛みを先にブロックしてくれる注射です)。
個体差もあるかとは思いますが、痛み止めのおかげで、我が家のライチ以外の子達は、手術後のお食事も、飲みやすく作られた痛み止めもおいしく(!?)いただき、エリザベスカラーでご飯やおもちゃを独り占めする技も身につけました。


Q:避妊手術ってどんな手術ですか?
A:卵巣と子宮を摘出する手術です。
避妊手術は全身麻酔により卵巣と子宮を摘出する手術で、時間は約1時間です。
午前中の診察時間中にお連れいただいて、その日の夕方のお迎えに来ていただきます。ご希望であれば、数日間入院することも可能ですが、原則は日帰りの手術です。


Q:病気じゃないのに手術なんて可哀想!
A:メリット・デメリットを含めてご判断ください。
“可愛い我が子の赤ちゃんを育てたい!”と交配を希望される方には無理におすすめはしません。
むしろ、出産に立ち会うのはすばらしい経験で、可能であれば一度は立ち会っていただきたいです。まだ目も開かない小さい赤ちゃんが日に日に成長していく姿には感動します。

猫ちゃんは年に平均2回発情期がきます。猫ちゃんは交尾によって排卵するといわれており、お父さん・お母さん猫が健康であれば、ほぼ100%妊娠し、平均3〜5頭の赤ちゃん猫が産まれます。またそれ以上の場合もあります。
産まれた赤ちゃんを家族に迎え入れられる場合は、近親交配(兄弟や親子での交配)の可能性もあるため、手術を受けられない場合は、完全に別に飼育していただかなければなりません。
一頭だけで完全室内飼いをしておられるのなら、その心配はありません。
動物は自然のままで…それでもいいと思います。
猫ちゃん達は言葉が話せません。手術のことも理解できないと思います。飼い主様が猫ちゃん達のことを考えて決断してくださったのなら、それが一番だと思います。
そのためにはいろいろな意見を参考にされ、メリット・デメリットを含めて判断していただければと思います。


Q:手術をすると、太りやすくなるって本当ですか?
A:確かに肥満になりやすい傾向があります。
避妊手術後は体質やホルモンバランスが変わることによる食欲・消費カロリー・蛋白質や脂質の代謝変化により、肥満や体脂肪率の増加などが起きやすくなります。
避妊手術後は特に食事管理に気を付けてあげてください。性ホルモンの分泌がなくなると、猫ちゃん達は、代謝率が三割前後低下するといわれています。つまり、手術前と同じ食事内容だと、それだけで三割前後、太りやすくなってしまうのです。運動量も自然と低下して、さらに太りやすくなってしまいます。
肥満になれば、内臓や足腰への負担も増え、いろんな病気になりやすくなります。なるべく一緒に遊ぶ機会を増やすなどして、運動量を増やすお手伝いをしてあげてください。
現在では、避妊手術を受けた猫ちゃん用のお食事も発売されています。サンプルをお渡ししておりますので、一度お試しください。
※詳しくはフィーメールケア(当院でも取り扱っております)をご覧ください。

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