フィラリア症とはどんな病気?
フィラリア症とはどんな病気?
「フィラリア症になる」というのは、フィラリアの親虫が心臓に住み着いてしまうことをいいます。フィラリア症に感染しても、ほとんどのワンちゃんはすぐに症状は現れません。感染してから数年後のある日、症状は現れます。主な症状は…
・咳が出るようになった。
・何となく元気が無く、食欲がない。
・お腹が膨らんできた。
・散歩を嫌がるようになった。
・ふらふらして倒れた。
など、現れる症状にも個体差があります。
感染してすぐはミクロフィラリアと呼ばれる小さな虫が、半年ほどで成虫になります。成虫は心臓を我が家と決めて、そこで子供を産み始めます。
フィラリア症に感染してしまったらできるだけ早く治療を施さないと、感染してから末期症状が現れるまで、約2〜3年といわれています。
2001年に発表された全国調査で、
完全に正しく予防された犬の感染率がほぼ0%であるのに対し、不完全予防犬(投与忘れ等で完全に予防しきれていない犬を含む)は34.6%のケースがフィラリア症に感染していたとの報告もあります。
予防をせずにひと夏を越したときの犬フィラリア症の感染率は
1年目 38% 2年目 89% 3年目 92%
という恐ろしいデータもあります。
犬フィラリア症は死に至る確率の高いとても怖い病気ですが、予防することが可能です。
愛犬をかわいそうな目にあわさないですむよう、必ず予防・蚊対策をしてあげましょう。
フィラリア予防薬について
毎年フィラリア予防はきちんとされていますか?
多くの蚊は春から秋までの暑い季節に活動しますが、寒さにも強く、ほとんど1年中活動する蚊もいます。そんな特殊な蚊は別にして、一般的な多くの蚊は、気温が15℃以上になると吸血を始め、25〜30℃まで上昇するとさらに吸血活動が活発化されます。暖かくなってきて、予想気温も蚊の活動開始温度の15℃以上という日が目立ち始めたら、そろそろフィラリア予防開始の時期です。
予防薬は錠剤タイプ・フードタイプからお選びいただけます。
フードタイプのお薬は、皆様ご存じの明治製菓さんのパナメクチンチュアブルをご用意。原材料には国産の鶏肉が使用されており、お味の方もワンちゃん達に大好評です。
どちらのお薬も1か月に1回の投与が必要です。忘れずに投与しましょう。
フィラリア検査について
フィラリア予防薬の初回投薬前にフィラリア検査は受けていらっしゃいますか?
販売元により多少の文面の違いはありますが、実は、すべてのフィラリア予防薬には、以下のような使用上の注意が記されているのです。
1.投与前には健康状態について検査し、異常がある場合は投与しないこと。
2.本剤の投与前には犬糸状虫(※フィラリアの別名です)感染の有無を検査し、感染犬に投与する場合には成虫及びミクロフィラリアを駆除するなど適切な処置を行い、慎重に投与すること。
フィラリアの予防薬は動物用医薬品の中でも、“要指示薬”という、普通の薬より取り扱いが厳重なお薬です。万が一、感染しているワンちゃんにお薬を与えてしまった場合は、重篤な症状を示す危険性もあります。最悪の場合、死に至ります。
体重に合ったサイズのお薬を、感染していないことを確認した後で飲まなくてはいけません。“投与を忘れた月がある”方はもちろんですが、しっかりあげたつもりでも丸のみしてしまって、お薬の成分が体内に吸収されないケースもあります。
フィラリア予防薬の投与開始時には、毎年必ずフィラリア検査を受けましょう。
フィラリア症に感染してしまったら
不幸にもフィラリア症に感染してしまっても“感染=死”ではありません。
病気の進行度合いによっては、命が助からないこともあります。幸いにして一命を取りとめて感染後に治療しても、100%感染前の完全な姿には戻れません。心臓をはじめとするいろいろな臓器に少なからずダメージを与えてしまうからです。
フィラリアで愛犬を亡くした飼い主様達は皆、「フィラリアについてもっと早く、もっと正確に知っていたならば…」と後悔を口にされます。